小売DXのカギ握るリテールテックとは?「店舗の星」が効果を発揮する商品紹介

2024年4月25日
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小売DXのカギ握るリテールテックとは?「店舗の星」が効果を発揮する商品紹介

さまざまな業界でDX(デジタルトランスフォーメーション)が進んでいる中、小売業界では「リテールテック」が注目されています。今回は、リテールテックとは何か?そしてリテールテックのひとつであり、小売業界のDXを推進する当社のサービス「店舗の星」の最新情報について、まとめてご紹介します。

売れる商品棚を作るDX店舗活性プロダクト「店舗の星」
売れる商品棚を作るDX店舗活性プロダクト「店舗の星」
店舗の星は、商品に関する消費者評価(ソーシャルプルーフ)をネット上よりクラウドエンジンがスクレイピングし、リアル店舗に落とし込み表示する為のシステムです。

リテールテックとは、小売(リテール)+IT技術(テック)

図1:リテールテックのイメージ1

[図1:リテールテックのイメージ1]

リテールテック(retailtech)とは、「小売」を意味する英語リテール(retail)、と「技術」を意味する英語テック(technologyの頭の文字)を合わせた言葉です。小売業界の中で導入されるIT技術のことを指します。

リテールテックは業務の効率化や生産性の向上を実現し、商品や顧客の分析を通して新たな商品提案を行い、顧客に新しい価値を提供します。その背景には、小売業界が抱える課題を解決する期待が込められています。

 

リテールテックは小売業界が抱える課題を解決

小売店の課題とリテールテックのイメージ

[図2:小売店の課題とリテールテックのイメージ]

コロナ禍により、世界のデジタル化は大きく進展しました。アフターコロナを経て日常が戻る中で、小売業界は人流の回復や訪日外国人によるインバウンド需要などで新たな商機を迎えています。しかし一方で、コロナ禍では見えなかったより本質的な課題も浮き彫りになってきました。

・少子高齢化による労働力人口の減少/長時間労働などの労働環境

小売業界では、少子高齢化による労働力人口の減少により、慢性的な人手不足に陥っています。人手不足により、インバウンド需要で新たな顧客を獲得できても対応ができない事態も起こっています。長年続いている慢性化した長時間労働、低賃金、休日の取りづらさなどの労働環境も人手不足の要因となっています。

・顧客ニーズの多様化

インターネットの普及により、より多くの商品情報に触れることができるようになった現在、顧客のニーズは多様化しています。商品は棚に並べれば売れるわけではありません。顧客ニーズを掴んだ商品を選定すること、顧客とのコミュニケーションを意識した陳列をすること、加えて、SNSを活用した顧客とのコミュニケーションなど、顧客ひとりひとりへのきめ細かいサービスが求められています。変化の速い顧客ニーズに応えていくために、これまで続けてきた販売方法では対応しきれなくなっています。

・コロナ禍による変化-オンラインショッピングの普及

コロナ禍でニーズが大きく高まったEC市場はその後も拡大を続けており、全体の売上高に占めるEC売上高の比率を表すEC化率も増加し続けています。

商品を購入できる”入口”が多様化している分、顧客が商品へ向ける目は厳しくなっていると言えます。実小売店で商品を展開し売上を伸ばすためには、リアルとバーチャルの双方で様々な工夫が求められています。

DXの促進、IoTやAIの発展・普及により、小売業界を取り巻く環境は大きく変化しています。変化に対応していく解決手段として、リテールテックが求められています。

 

リテールテック事例:セルフレジ・キャッシュレス決済

図3:リテールテックのイメージ2

[図3:リテールテックのイメージ2]

それでは、具体的なリテールテックにはどのようなものがあるでしょうか?いくつか取り上げ、その技術が何を実現するのかを確認しましょう。

・セルフレジ

スーパーマーケットやコンビニエンスストアを始め、大手量販店などで導入が進んでいるセルフレジは、リテールテックのひとつです。顧客が自分で商品のバーコードを読み取りして料金を支払う形態だけでなく、アパレルなどではRFID(Radio Frequency Identification)タグを用いてバーコードを読み取らずに支払い料金を確定させるセルフレジも登場しています。セルフレジにより、スタッフの作業負担を軽減し、人手不足を解消することに役立っています。

・キャッシュレス決済

クレジットカード決済、電子マネー決済、スマートフォンを使ったコード決済など、現金を出さずにワンタッチで会計を済ませることで、レジ待ち行列を解消し、顧客やスタッフの負担を軽減しています。

・ロボットの導入/在庫管理や発注の自動化

カメラやセンサーと連動し、商品棚をスキャンすることで在庫を管理したり、商品陳列をロボットが行うことで、スタッフの業務負担を軽減し、人手不足を解消します。また、商品棚の状況からAIが需要を予測したり、電子札を使って価格を調整し、食品ロスや在庫過剰を防ぐ試みも行われています。

売り場でのアナログな対応も多く、これまでIT導入がなかなか進まなかった小売の現場でも、IoTやAIの発展・普及により、さまざまなリテールテックが導入されるようになっています。

 

インターネット上の商品評価を集める販促ツール「店舗の星」

図4:店舗の星の利用イメージ

[図4:店舗の星の利用イメージ]

店舗の星は、ネット上にあふれる商品評価をまとめて見える化し、実店舗に表示させることのできる、バーチャルとリアルを融合する店舗活性DXプロダクトです。ソーシャルプルーフと言われる、商品に関する消費者の評価をネット上よりクラウドエンジンが集め(スクレイピング)、リアルの店舗に落とし込み、店舗の棚に設置したパネルに5つ星評価で表示する仕組みです。

詳しくはこちらの記事の解説をご覧ください。

▼ネット評価が購入の鍵!大手小売店が実践する【“選ばれる”商品棚作り】とは

 

店舗の星に期待できること「客単価の向上」

図5:店舗の星CMSによる売上分析のイメージ

[図5:店舗の星CMSによる売上分析のイメージ]

現在、店舗の星は、日本に先駆けてタイ、シンガポールなどの東南アジアで実装されています。4月18日には、シンガポールのPan Pacific Retail Management (Singapore) Pte. Ltd.が運営するDON DON DONKI3店舗への正式導入が決定したことを受け、プレスリリースを発出しました。

▼流通小売店舗向けDX新製品「店舗の星」、Pan Pacific Retail Management (Singapore) Pte. Ltd.へ正式導入決定(2024年4月18日)

ここでは、これらの取り組みの中で見えてきた、店舗の星が効果を発揮する場面を解説します。

 

売上=来店客数×客単価×来店頻度

まず初めに、売上の関係は、簡潔に「売上=来店客数×客単価×来店頻度」というひとつの式で表すことができます。つまり、売上を上げるためには、来店客数、客単価、来店頻度の3つのうちのどれかを上げる施策が必要です。

来店客数であれば店舗の認知度を上げる広告施策、来店頻度であれば特売日を設けたり、店舗のファンを増やす施策などが挙げられます。店舗の星は、主に客単価の向上に貢献する施策に位置付けられます。

客単価を向上させるアップセル・クロスセルとは?

客単価を向上させるためには、来店した顧客に購入してもらう金額を増やす施策が必要となります。ここでは客単価向上の鍵となる概念である「アップセル」「クロスセル」をご紹介します。

アップセル(upselling)とは、顧客が購入する商品のグレードを上げること、つまり、顧客が購入しようとしていた商品のワンランク上の商品を提案し、購入してもらうことを指します。

顧客が来店前から購入したい具体的な商品名が定まっているよりも、購入する商品のジャンルは決まっていても、価格、品質、機能面などを踏まえて具体的にどの商品を購入するかを決めていない場合(来店してから決めようと考えているなど)や、商品の種類が多すぎてどれを選べばいいかがわからない場合などに効果を発揮します。

クロスセル(cross-selling)とは、顧客が購入しようとしている商品に追加で別の商品を提案し、購入してもらうことを言います。いわゆる「ついで買い」がこれに当たります。顧客が目的の商品を購入する際、それに関連する商品や比較的購入しやすい価格帯であり、プラス一品として購入しても良いと思わせられる商品がある場合に効果を発揮します。

店舗の星は、これらのアップセル・クロスセル施策に寄与することが期待されています。

 

店舗の星の効果が期待できる商品とは

図6:店舗の星の効果が期待できる商品ゾーン

[図6:店舗の星の効果が期待できる商品ゾーン]

以上より、店舗の星が効果を発揮しやすい商品には、次のような特徴があると言えるでしょう。

・新商品やPB商品など、顧客がお店に来店して初めて目にする商品(認知度が小さい)

・価格帯が安すぎず、ある程度高くても良いが高すぎない商品(購入することで顧客自身への影響・変化が期待できる)

・商品の種類が多く、顧客がどれを選べば良いか迷う商品

その上で、

・店舗の星パネルの星の表示が4つ以上であり、インターネット上での評価が一定以上高い商品

がよく選ばれています。

また、インターネット上に店舗の星と連動した口コミの場を設けることで、来店した顧客が新たに商品評価を加えていくことができます。こうした場によって、顧客が商品に対して”自分ごと“としてアクションを行うシーンを作ることができ、商品の売上向上に良い影響を及ぼします。

これらの特徴を有した商品を選定し、仮説を立てて戦略的に店舗の星を設置していくことが、客単価の向上につながっていきます。

 

POSデータを活用した販売分析-分析に手が回らない課題を解消

図7:店舗の星の管理画面のイメージ

[図7:店舗の星の管理画面のイメージ]

最後に、店舗の星を効果的に使うためのツールとして、CMS(管理画面)をご紹介します。

見やすい画面で店舗の星のパネル設置前と設置後の商品売上を比較することができ、顧客の変化をイメージでつかむことができます。

CMSはお店のPOSデータと連動させることが可能です。日ごとの商品売上の推移や、商品価格や粗利の推移など、商品に関する様々なデータを見える化することで、事前に立てた仮説を検証し、次の仮説を立てて検証していくサイクルを作ることをサポートします。忙しくて顧客分析まで手が回らないのは、時間のなさもありますが、手段の乏しさも関係しています。店舗の星は、リテールテックのひとつとして、新たな分析手段を提供することにつながります。

売れる商品棚を作るDX店舗活性プロダクト「店舗の星」
売れる商品棚を作るDX店舗活性プロダクト「店舗の星」
店舗の星は、商品に関する消費者評価(ソーシャルプルーフ)をネット上よりクラウドエンジンがスクレイピングし、リアル店舗に落とし込み表示する為のシステムです。

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