【電力会社値上げ動向第2弾】2024年7月分の電気代は?8月スタートの緊急支援とは?
7月に入り、東京では早くも最高気温が35℃以上の猛暑日を迎えるなど、全国各地で厳しい暑さに見舞われています。今夏のエアコン代も気になるところです。
一方で、政府は8月・9月・10月使用分の電気代を緊急支援することを発表しました。この記事では、緊急支援の内容をご紹介するとともに、7月使用分の電気代について、各電力会社の動向をまとめました。
新たな電気代補助策「酷暑乗り切り緊急支援」とは?
岸田首相は6月21日に開かれた記者会見で、電気代・ガス代について緊急支援を行うことを発表しました。
記者会見の場で首相は「物価水準が高止まる中で、年金(生活)世帯や価格転嫁を進められない中小企業の皆様には、厳しい状況が続いています。移行に取り残されるおそれがある方々へのきめ細かな支援が必要です。」、「酷暑、暑い夏を乗り切るための緊急支援、「酷暑乗り切り緊急支援」として、8月・9月・10月分、3か月について、電気・ガス料金補助を行います。」と発言しています(首相官邸ホームページより)。
電気代、「緊急支援」でいくら安くなる?
[図1:緊急支援による電気代値引き単価]
それでは具体的にはどのくらい安くなるのでしょうか?資源エネルギー庁が公表している電気・ガス料金支援によれば、図1の通りとなります。
2024年8・9月使用分の電気料金について、低圧は4.0円/kWhの値下げ、高圧は2.0円/kWhの値下げに、また2024年10月使用分については、低圧は2.5円/kWhの値下げ、高圧は1.3円/kWhの値下げとなります。
また、都市ガスも値引き対象となっており、2024年8・9月使用分については、1立方メートル当たり17.5円の値引き、2024年10月使用分については1立方メートル当たり10.0円の値引きとなっています。都市ガスは家庭及び年間契約量1,000万立方メートル未満の企業等が対象です。
その他の詳細は、以下のページをご確認ください。
▼電気・ガス料金支援(資源エネルギー庁)
https://denkigas-gekihenkanwa.go.jp/
2024年7月電気代 各社の動向は?
ここからは電力10社の電気代の動向を「平均モデル」から見てみましょう。2024年7月使用分の電気料金は、九州電力を除き各社とも値下げまたは6月の価格を据え置きとするところが目立ちました。値下げ幅は小さく、各社とも6月の料金に近い金額となっています。
東京電力
[図2:東京電力 平均モデル電気料金の推移]
平均モデルは、従量電灯B・30A、使用電力量260kWh/月の場合で算出。7月再生可能エネルギー発電促進賦課金907円、消費税等相当額を含んだ金額です。6月使用分は8,930円、7月使用分は8,873円となり、57円の値下げとなっています。
北海道電力
[図3:北海道電力 平均モデル電気料金の推移]
平均モデルは、従量電灯B・30A、使用電力量230kWh/月の場合で算出。7月再生可能エネルギー発電促進賦課金802円、消費税等相当額を含んだ金額です。6月使用分は9,523円、7月使用分は6月から変わらず9,523円となります。
東北電力
[図4:東北電力 平均モデル電気料金の推移]
平均モデルは、契約電流30A、使用電力量260kWh/月で算出。7月再生可能エネルギー発電促進賦課金907円、消費税等相当額を含んだ金額です。6月使用分は8,855円、7月使用分は8,808円となり、47円の値下げとなっています。
北陸電力
[図5:北陸電力 平均モデル電気料金の推移]
平均モデルは、従量電灯B・30A、使用電力量230kWh/月で算出、消費税等相当額を含んだ金額です。6月使用分は7,758円、7月使用分は7,740円となり、18円の値下げとなっています。
中部電力
[図6:中部電力 平均モデル電気料金の推移]
平均モデルは、従量電灯B・30A、使用電力量260kWh/月で算出。7月再生可能エネルギー発電促進賦課金907円、消費税等相当額を含んだ金額です。6月使用分は8,691円、7月使用分は8,613円となり、78円の値下げとなっています。
関西電力
[図7:関西電力 平均モデル電気料金の推移]
平均モデルは、従量電灯A、使用電力量260kWh/月で算出。口座振替割引額(55円)、7月再生可能エネルギー発電促進賦課金、消費税等相当額を含んだ金額です。6月使用分は7,664円、7月使用分も変わらず7,664円となります。
中国電力
[図8:中国電力 平均モデル電気料金の推移]
平均モデルは、従量電灯A、使用電力量260kWh/月で算出。7月再生可能エネルギー発電促進賦課金907円、消費税等相当額を含んだ金額です。6月使用分は8,514円、7月使用分は8,480円となり、34円の値下げとなっています。
四国電力
[図9:四国電力 平均モデル電気料金の推移]
平均モデルは、従量電灯A、使用電力量260kWh/月で算出。7月再生可能エネルギー発電促進賦課金907円、消費税等相当額を含んだ金額です。6月使用分は8,595円、7月使用分は8,579円となり、16円の値下げとなっています。
九州電力
[図10:九州電力 平均モデル電気料金の推移]
平均モデルは、従量電灯B・30A、使用電力量250kWh/月で算出。再生可能エネルギー発電促進賦課金、消費税等相当額を含んだ金額です。6月使用分は7,551円、7月使用分は7,553円となり、2円の値上げとなっています。
沖縄電力
[図11:沖縄電力 平均モデル電気料金の推移]
平均モデルは、使用電力量260kWh/月で算出。7月再生可能エネルギー発電促進賦課金907円、消費税等相当額を含んだ金額です。6月使用分は9,663円、7月使用分は9,625円となり、38円の値下げとなっています。
「酷暑乗り切り緊急支援」後の支援はあるのか?
6月21日の記者会見で、首相は以下のように発言しています。
「ガソリンや電気・ガスへの補助金は、脱炭素の流れに逆行することもあり、いつまでも続けるべきものではありませんが、先ほど申し上げたとおり、物価高に直撃されている地方経済や低所得者世帯の現状に思いを致し、最も即効性のあるエネルギー補助を今回に限って講じることといたしました。」(首相官邸ホームページより)
2050年のカーボンニュートラル実現に向け、政府のエネルギー基本計画では、CO2を排出する火力発電などの割合を減らし、再生可能エネルギーや原子力発電の割合を増やす方向で進められてきました。2024年は第7次エネルギー基本計画策定の年でもあり、今後のエネルギー政策の方向性が議論されています。
今後はさらに、効率的な省エネによって電気代を安くしていくことが求められます。
「AIrux8」の技術、日本で特許として登録される
[図12:AIrux8導入前の課題と導入後の効果]
2024年5月9日、当社のAIによる電力削減ソリューション「AIrux8」の技術が日本で特許として登録されました。特許の内容は、AIrux8の電力削減アルゴリズムに関するものです。特許が登録されたことにより、AIrux8の技術は国内でも唯一無二のソリューションとなりました。世界規模でのSDGsへの取り組みに発展させていくことを目指し、今後も引き続き、日本国内での導入を更に進めていきます。
特許の内容については下記記事をご覧ください。
▼AI電力削減ソリューション「AIrux8」の技術が日本で特許として登録
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000034.000062901.html
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