【電気料金最大39%値上げ】エネルギー価格高騰時代、企業のコスト削減のカギは『省エネ』
ウクライナ情勢や円安などにより、電気料金の値上げが続いています。政府は閣僚会議で大手電力7社のさらなる値上げを了承。2023年6月から各社平均で15%から39%余りの値上げが実施されました。
物価高騰により原材料費などのコストも上がる中、企業経営は非常に厳しい状況が続いています。業績向上・改善のために、コスト削減が重要なカギを握るエネルギー価格高騰時代。今、企業がやっておきたいコスト削減のカギとは。
本記事ではAIを活用した画期的な省エネ・電気料金削減方法をご紹介します。
東京電力、一般家庭で月2,611円値上げ
東京電力エナジーパートナーによると、東京電力では6月からの料金見直しで、標準的な使用量の家庭におけるモデル料金(※従量電灯B/30Aの場合)は28.6%の値上げ幅となる見込み。月額9,126円から月額11,737円に値上がり、その差額は月額2,611円・年間31,332円となっています。
[表1:2000年以降のモデル料金推移]
※出典:東京電力エナジーパートナー株式会社「規制料金値上げ申請等の概要について(詳細版)」
一般家庭でこれだけ値上がりするとなると、企業における電気料金の値上げ額はかなり大きなものとなることが予想されます。
9割以上の企業で電気料金上昇。1年で4割増に
帝国データバンクが2023年4月に実施した「電気料金値上げに関する企業実態アンケート」では、電気料金の総額が1年前と比べて増加した企業の割合は9割超。料金の総額は1年前より平均で39.4%増加したということが明らかとなっています。
[表2:1年前との電気料金の変化]
出典:帝国データバンク「電気料金値上げに関する企業の実態アンケート(2023年4月)」
企業からは「新電力会社との契約更新時に価格が2.5倍になるため、別の新電力会社を見つけて契約したが、年間400~500万円のコストアップ」、「新電力会社が電力供給を止め、大手電力会社に変更したが、電力料金は前期の2倍になった」 などの声が聞かれ、試行錯誤しているものの、大手・新電力会社問わず大幅に電気料金が上昇しているとのこと。
また、電気料金の増加分を販売価格やサービス料金に「転嫁できていない」企業が57.2%と6割近くを占めたことも調査で明らかとなっています。6月にはさらに電気料金が上がる中、コスト削減に大きな課題感を抱える企業が多いことが伺えます。
個人の努力で大幅削減は難しい
一般的な企業の場合、電気代のなかでも大部分を占めているのが「照明」と「空調」による消費です。企業における電力消費総量のうち、照明・空調による消費が約72%ほどであるといわれています。
[表3:企業における電力消費量の割合]
エアコンの設定温度の調整やこまめな照明のオンオフなど、地道に行う節電はなかなか手間がかかる作業が多いのが実情。人によって快適な温度も異なり、社員一人ひとりに意識させて実行するには限界がありますし、節電のために快適な仕事環境が損なわれ、モチベーションや仕事効率の低下につながっては元も子もありません…。
そんな中、快適な職場環境を作りつつ、抜本的なコスト削減を実現させる省エネ方法はないのでしょうか?
そこで、近年注目されているのがAIを活用した空調電力・照明電力の削減です。
AI活用で電気料金削減!「AIrux8」とは
AIを活用した空調電力・消費電力の削減を実現するのが「AIrux8(エーアイラックスエイト)」。社員の手を煩わせることなく、AIに学習させて快適な温度を保ちつつ、大きな節電効果を発揮します。
[図1:AIrux8(エーアイラックスエイト)のイメージ]
AIrux8はセンサーとAIの技術で空調・照明を自動的に調整し、無駄な電力をカットして省エネにつなげます。まず、エアコンで室内温度をチェックし、人感センサーでオフィスの状況、ACコントローラーで室外の気温を把握。その情報をクラウドで解析し、自動でエアコンの温度調節を行います。
手動で調節する場合、外気温と室内温度の差を考えずに稼働するため急速稼働となるケースが多いですが、AIrux8を導入することで外気温に合わせて緩やかに温度調整を行うことができるため、消費電力を大幅に抑えることが可能に。
また、人感センサーにより人の動きもチェックできるため、空間の混雑状況に合わせてエアコンのオンオフや温度調節を自動的に行い、無駄なエネルギーをカットします 。
[表4:AIrux8導入前の課題と導入後の効果]
導入後は1~2ヶ月間の試運転を行いオフィスの状況確認や社員からのヒアリングを実施して快適な温度を探りつつAIに学習させていくので、各企業の状況にあわせた“オーダーメイド”の空調コントロールが可能となります。
照明も同様の仕組みで、調光機能が付いた照明であれば、人の動きやオフィスの状況、陽の光の入り具合などを見て自動で照明のオンオフや明るさの調整をすることで省エネにつなげます。
空調電力消費41%削減!シンガポール政府推奨製品に認定
実際にAIrux8を導入した企業では、適温を維持しながらも空調電力消費41%削減、照明電力消費33%削減と、大幅なコストカットにつながっています 。
[表5:AIrux8導入前と導入後の電力消費量比較]
AIrux8は2023年6月現在、アジア随一のエコ先進国ともいわれるシンガポールにおいて、DBS銀行、シンガポール郵便局、カーメーカーのショールーム、オフィステナントの4施設で導入し、各施設で効果をあげてきました。今後も11施設への導入が決定しており、広がりを見せています。
特に、DBS銀行はエネルギー消費量を0にするさまざまな施策に取り組む先進的なビルでもあり、東南アジアで最も注目された本ビルへの採用となりました。この成果により、シンガポール政府が主導するGreenMasterPlan計画(エネルギー削減計画)へのAIrux8の貢献が注目されています。
[図2:AIrux8を導入したシンガポール DBS銀行]
AIrux8はシンガポール政府の建築建設局(BCA:building construction authority)がグリーンビルディング(※1)として認定した建物・施設に与える「Green Mark」を取得するための推奨製品として認定されるなど、省エネ効果が高く評価されています。
※1 グリーンビルディング…二酸化炭素排出量や水使用量が少ないなど、環境性能が高い建物のこと。環境に優しい建物。
日本国内での実証実験でも電力使用量削減の成果
先行して導入が進んでいるシンガポールの例を先にご紹介しましたが、日本での実証実験も進んでいます。
株式会社LOOPLACE(本社:東京都千代田区、代表取締役 飯田泰敬、以下「LOOPLACE」)の本社において2022年12月1日から2023年3月31日までの約4カ月間、AIrux8を導入し、空調消費電力の最適化の実証実験を行いました。
外気温の推移や人の動きが類似している日を選択し、通常運転した場合とAIrux8を導入した後の変化を比較。対象エリアの設定温度、風量自動調整、人感センサーによる空調制御を行い、データを収集・解析しました。
その結果、適温を維持しながらも27.3%の電力削減を達成することができました。
<LOOPLACE導入前後の電力使用量削減比較>
・外気温推移及びオフィス内人感センサーデータが近似値である日を選択し、比較した場合
[表6:AIrux8導入前後の電力使用量削減比較]
手動での空調制御では電力消費にムラが見られましたが、AIrux8を導入することでダイナミックな温度調整が可能となり、電力使用量が抑えられました。AIrux8の運用設定の効率化やオフィス環境における空調設備の適正化、人感センサーデータに基づいた自動制御が大幅な節電効果を生み出すことが実験で証明されました。
今後は「AIrux8」の日本市場展開拡大に向け、引き続き日本国内での実証実験を更に進めていきます。
終わりの見えないエネルギー価格高騰時代。コスト削減の一助に、AIで手間をかけずに賢く省エネするAIrux8を検討してみてはいかがでしょうか。
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