省エネ・創エネ「AIが電力をコントロールする」時代へ 知っておきたい「コントロール(制御)とAIの違い」の話

2025年10月1日
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省エネ・創エネ「AIが電力をコントロールする」時代へ 知っておきたい「コントロール(制御)とAIの違い」の話

2025年4月から東京都で新築戸建て住宅での太陽光発電システムの設置義務化がスタートし、他の自治体でも検討や実施が進んでいます。また、2026年度からは化石燃料の利用が多い工場や店舗をもつ1万2000事業者を対象に、ペロブスカイト太陽電池など太陽光パネルの導入目標の策定が義務づけられます。地域によってはテレビで太陽光発電などのCMを多く見かけるようにもなりました。企業や家庭では、省エネの推進はもちろん、創エネへの取り組み、推進がすでに始まっています。

ところで、多くの省エネ・創エネシステムにはAIが搭載される傾向にありますが、AIは何をしているのでしょうか?例えば「AIが電力をコントロールする」と言われたとき、その仕組みや意味をきちんと理解できるでしょうか。各メーカーが開発し商品化する省エネ・創エネシステムのAIは、それぞれに仕組みが異なることも多く、理解が難しいこともあります。

今回のコラムでは、こうしたシステムにおけるAIの役割について考えるきっかけとなる「AIと制御」について、深掘りしてお伝えします。

 

(おさらい)そもそもAIとは?

(図1:AIのイメージ)

AIとは、Artificial Intelligence(人工知能)の略称です。1956年、米国の計算機科学者ジョン・マッカーシーによって提唱され、その後3度の人工知能ブームを経て現在目にするAIが登場し、今も日進月歩で進化しています。2024年にはAIの礎を築いた2人の研究者がノーベル物理学賞を受賞しました。さらに詳しくAIとは何か?を知りたい方は2024年のこちらの記事をご覧ください。

▼2024年ノーベル物理学賞は「AI」研究者に

https://www.tranzas.co.jp/column/nobelprize2024_ai/

 

「AIが電力をコントロールする」が意味すること

メーカーの営業担当者から「この製品はAIが電力をコントロールします」と言われて、どんなイメージを持つでしょうか?多くの方が「AIが空調や照明をコントロールして、人がいないところではOFFにするなど適宜調整してくれるのだろうな」と想像すると思います。しかし一方で、「空調や照明をコントロールして、人がいないところではOFFにする」こと自体は、AIがなくても実施可能です。ではAIは何をするのでしょうか?それを理解するにはまず、コントロール(制御)とAIの違いを理解することが大切です。

 

コントロール(制御)とは?

(図2:制御の例(信号機)のイメージ)

コントロール(制御)とは、あらかじめ決められたルールや条件にしたがって、機械や装置を正しく動かす仕組みのことを言います。プログラム制御では、機械や装置を制御のための目標値、制御パラメータや制御順序など、あらかじめ定められたルールや条件にしたがって動作します。プログラム(ルールや条件)は人が作成し、機械や装置は、人が作成したプログラムにしたがって動作します。

 

(図3:制御の例(エアコン)のイメージ)

例えば「エアコンの制御」であれば、「室内温度が28度になったら冷房をONにする」、「室内温度が24度になったら冷房をOFFにする」などのように、もし~なら、〇〇する、などのルールにしたがってエアコンが正確に動作します。ルールや条件はあらかじめ決められたものだけであり、これを変更するには新しくプログラムを作り直さなければいけません。

 

コントロール(制御)とAIの違いとは?

(図4:コントロール(制御)とAIの違い)

AIは、制御とは異なり、学習・判断・予測ができる仕組みと言えます。そのために多くのAIではさまざまなデータが必要となります。AIは、データの分析によってルールや条件を自分で見つけ出すことができます。コントロール(制御)単体では人が考えていたルールや条件を、あたかもAIが自ら”考えた”ように導き出すことができ、その判断をもとに制御を動かすことができるのです。

例えば「エアコンのAIによる制御」では、「このビルのこの部屋は、夏は平日に多くの人が利用するから、朝早めに少し高い設定温度でONにし、消費電力を抑えよう」、「このビルのこの部屋は窓際のペリメーターエアコンがよく効いているから、個別エアコンは送風だけにしよう」などのように、「消費電力を抑える」目的のもと、それを実現するために最適なルールや条件は何か?をAIが判断しています。また、使う場所、時期、天候、温度、人など、様々な状況に合わせて柔軟に判断できるのも、AIの特徴です。

 

AI+コントロール(制御)=AIシステム

したがって、AIと制御が組み合わされることでAIが目的を実現するための最適なルールや条件を判断し、その判断をもとに制御が動作します。「AIが電力をコントロールする」場合は、消費電力をできる限り少なくするために最適なルールや条件をAIが判断し、その判断をもとに電力システムの制御が行われることになります。これが、省エネ・創エネシステムで行われるAIとコントロール(制御)の役割です。

 

各メーカーで仕組みが異なる=AIロジックが異なる

冒頭で「各メーカーが開発し商品化する省エネ・創エネシステムのAIは、それぞれ仕組みが異なることも多い」と書きました。どのような種類のデータをどのように分析しているか、各商品のAIロジックは異なります。製品を比較する際は、AIが何を分析しているかを確認すると良いでしょう。

 

AI電力削減ソリューション「AIrux8」のAIロジック

(図5:AIrux8システム構成イメージ)

トラース・オン・プロダクトのAI電力削減ソリューション「AIrux8」は、電力削減アルゴリズムに関して2024年に特許を取得しました。AIrux8は、天井に設置された人感センサーを組み込んだ「Node(ノード)」と呼ばれるセンサーを通して、施設内の混雑状況や空間温度などの環境データを取得します。加えて、平均気温、平均湿度、降水量、天気概況、体感温度などの環境データから空調による温度変化で消費されるエネルギー量を予測し、最適な温度変化の解を得ることが出来る仕組みです。AIrux8を導入することで、環境温度と設置される建物の特性に応じた温度調整ロジックが最適化され、消費電力を大幅に抑えることが可能となります。

AIrux8の特許取得についてはこちらをご覧ください。

▼AI電力削減ソリューション「AIrux8」の技術が日本で特許として登録

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000034.000062901.html

 

(図6:AIrux8管理画面のイメージ)

大手老舗百貨店のオフィスでは、半年間の実証運用の結果、全体で空調電力の25%を削減することに成功しました。これらのデータがさらに増えていくことで、AIrux8はビル、工場、店舗などさまざまな場所に応じて消費電力削減効果を発揮します。

AIrux8による消費電力削減効果をさらに詳しく知りたい人は、下記サイトで電力削減シミュレーションを実施することができるので確認してみてください。

▼AIrux8についてもっと詳しく知る―まずは簡単シミュレーションから

https://airux8.traas.co.jp/

 

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