【事例】ドン・キホーテ店舗でサイネージ視聴率を計測!店舗マーケティングに応用できる実験

2022年5月30日
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小売業店舗におけるサイネージ視聴率測定

 

近年、デジタルサイネージはさまざまなデータと連携してリアルタイムに表示内容を最適化できるようになるなど、販促装置として急速に進化しています。「商品の売れ行き」や「気候」、「広告データ」などと連動したマーケティング効果の高いサイネージが登場しており、単に映像を見せるだけのサイネージはもはや時代遅れです。

そこで当社は、「価値のあるデジタルサイネージの在り方」を徹底的に追及するため、株式会社パン・パシフィック・インターナショナル・ホールディングス様の協力を得て、ドン・キホーテ中目黒本店にてサイネージの視認率計測実験を行いました。

本記事では、こちらの実証実験の内容についてお伝えいたします。

実験内容:視認率の算出方法と検証パターン

小売店が販促効果を高めるうえで、店舗内のお客様の視認動向はとても有益なデータとなり得ます。

そこで、今回の実証実験では、当社の新製品「背面照射型BIRDEYES(バードアイズ)」を用いたサイネージを店舗の5カ所に設置し、表示画面上部に取りつけた超小型カメラで人影と目線を計測することで視認率を算出しました。

背面照射型BIRDEYES(バードアイズ)は、表示スクリーンの背面からプロジェクターのように映像を投影する仕組みの製品です。

検証パターンとしては、以下4パターンで視認率の違いを計測しました。

<検証パターン>
1.「設置場所」による視認性の違い
2.「画面サイズ」による視認性の違い
3.「音量」による視認性の違い
4.特殊加工画面を利用した場合の視認性の違い
(特殊加工画面とは、上記画像のようなPOPを融合させたサイネージのことです)

※実施期間:2021年10月7日~2021年11月2日の約4週間

実験結果:検証パターン毎で判明した視認率の違い

①「設置場所」による視認率は、最大12.61%の差がみられた

今回の実証実験では、サイネージの設置場所を以下の5カ所としました。

・商品棚の上部
・歩行通路上部
・通路分岐地点
・階段踊り場
・店舗入り口

その結果、設置場所によって視認率に最小1%~最大12.61%の違いがみられました。

②「画面サイズ」による視認率は、POPと融合したサイネージが最も高かった

画面サイズによる視認率の検証は、1週間毎に設置するサイネージを「32インチ」「43インチ」と変更した後、表示画面の周囲にPOPを融合させた「特殊加工画面」の設置に切り替えるかたちで実施されました。

その結果、32インチから43インチへ変更した場合の視認率の違いはみられませんでしたが、43インチから特殊加工画面に変更した場合の視認率は最大84.7%も上昇しました。

この結果は、店舗サイネージの運用をするうえでの大きなヒントとなるのではないでしょうか。

③「音量」による視認率は、有効な計測ができず

次に、音量による視認率の検証ですが、こちらは残念ながら存在感のある音量調整ができなかったため、有効な計測ができずに終了いたしました。

④「時間帯」による視認率は、最大値と最小値に3倍程度の開きがあった

今回の実験では、上記の検証パターンの他に「時間帯」による視認率の違いも集計しました。

その結果、視認率は時間帯によって最大値と最小値に3倍程度の違いがみられ、来店したお客様の年齢層や来店目的によってサイネージの視認率が大きく変わっている可能性が判明しました。

⑤「視認時間」ついては、通路を歩行しながらの視認傾向がみられた

加えて、視認時間の集計もおこなったところ、「歩行者の人影計測時間」と「視認時間」に近似した数値が計測されており、通路を歩行しながらサイネージが視認されている傾向がみられました。

場所・時間帯によっては、歩行しながらの視認以外にも立ち止まって視認しているお客様の傾向も計測できており、サイネージの在り方を考えるうえでの有益な情報を得ることができています。

⑥「来店頻度」に応じて、視認率が低下する傾向がみられた

また、実験ではお客様の来店頻度に応じて視認率が著しく低下していく傾向も観測されています。具体的には、2週間で20%~30%もの視認率が低下いたしました。

このことから、サイネージ運用においては常に新しい情報を提供することが重要と推察されます。

ドン・キホーテ店舗 担当者様の声

本実験について、ドン・キホーテの担当者様にもご意見を伺ったところ次のようなお声をいただいております。

今回の視認実験では、場所による視認計測だけにとどまらず、時間帯によるサイネージへの関心の違いや、御客様の買い物時の歩行速度などを確認することができました。P3社の新製品であるバードアイ(背面照射型サイネージ)は、天井補強工事が不要な、ワイヤー吊り下げ型である点に利用価値の幅広さに新しいサイネージの形を感じました。ただ、頻繁に売り場のレイアウトを変更するため、サイネージも移動させる必要がある事や、明るい場所でのディスプレイの見え方にも課題があり、今後の進化に期待したいと考えています。”

「映像を見せるだけ」で終わらない、価値あるサイネージを。

当社のサイネージは、お客様の実効果と利用者メリットを第一に考えて、機能や運用方法などをカスタマイズしてご提案しています。私たちは「単に映像を見せるだけ」の効果の見えないサイネージではなく、今後のDXの潮流も見据えた本当に価値のあるサイネージを追求していく所存です。

サイネージの導入を検討されているお客様には、本実験のように視認性の計測から設置有効場所のご提案、さらにはお客様のニーズに合ったサイネージ製品の自社設計・製造まで、ご要望に沿った提案をさせていただきますので、ぜひお気軽にご相談ください。

今後も美容室でのサロンサイネージ、店舗サイネージ、大型LEDなど、幅広いサイネージの配信・機器開発・DX展開・広告獲得提案をしてまいります。

また、当社ではデジタルサイネージでの配信内容を簡単に設定できるシステム「CELDISも開発・提供しています。こちらは国内最大級メディアでも利用される、低コスト・高品質なサイネージシステムです。

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