製造業におけるIoT活用方法とは?得られるメリットと導入効果

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工場における設備・センサーといったあらゆる機器をインターネットに接続することで、機器の稼動状況や品質情報などを見える化し、生産性向上を図る「スマートファクトリー」。

Industry4.0を実現するためIoTを活用し、どのように効果を上げていくのか?その全容に迫ります。

製造業におけるIoTの役割

製造業におけるIoT活用方法

製造業におけるIoTの役割は大きく以下のように分けられます。

◆データの収集

  • 各種機器と直接もしくはPLC※を介して、IoTゲートウェイにデータを集約
  • カメラの映像をIoTゲートウェイに集約
  • スマートメータによる、各種エネルギー使用量をIoTゲートウェイに集約
  • 各種センサーにより取得した情報をIoTゲートウェイに集約


◆データの分析・見える化

  • IoTゲートウェイが集約したデータをエッジ処理し、加工された状態でクラウドサーバに送信する
  • クラウドサーバでデータを蓄積・分析・可視化する


◆データの活用

  • ウェアラブルデバイスやPC・スマホで、可視化されたデータを閲覧・使用する
  • 分析されたデータをもとに、各種機器の設定・人の動き・工程などを変え、業務を効率化する
  • 緊急性の高い情報をウェアラブルデバイスや、遠隔地に即座に届ける
  • ウェアラブルデバイスを活用して、作業推進に必要なコミュニケーションをシームレスに実現する


※1 PLC=プログラマブルロジックコントローラ。小型のコンピューターの一種で、制御装置である。動作が通常のコンピューターと違いリレー回路を原型とした動作モデルを採用しているため、巨大な機器や装置、人を運ぶ装置などの制御に用いられており、高い安全性・安定性が求められる。

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データの収集

製造業において、IoTを活用することでどのような情報を収集できるのかを紹介します。

各種機器からのデータ収集

各種機器・設備とセンサーを併用することで、過去には考えられない程様々な情報を取得することが可能です。

生産個数や稼働時間・稼働状況は勿論のこと、機器の発するアラートをリアルタイムで入手できます。

また、回転数・圧力・位置・傾き・摩擦熱・温度など、機器や設備の本当に細かい情報を入手し、蓄積できるため、熟練工の技を可視化することで人材の育成に役立てたり、予知保全に役立てたりすることが可能です。

カメラからのデータ収集

カメラ映像を活用すると、設備の稼働状況・侵入禁止エリアの監視・人の導線把握など、様々な情報を入手することが可能です。

スマートメータからのデータ収集

スマートメータを設置したエネルギーの消費量を把握することが可能です。
但し、これだけだと見える化に留まってしまうため、当社では更に一歩先を行く、センサによる自動制御ソリューションを紹介しております。

センサからのデータ収集

上述の機器・設備の情報に加え、気温や湿度など施設全体の状況把握や、人の行動データの取得なども実現できます。

さらにウェアラブルデバイスに入っているセンサを活用すると、人の呼吸・脈拍・活動量などからストレス値や疲労度などを推定することで安全管理に役立てたり、転倒・落下を検知し速やかに事務所や近くにいる人に連絡することなども可能です。

データの分析・見える化

データの分析・見える化の肝はエッジ処理です。
全てのデータをクラウドサーバに送信して処理してしまうと、ネットワークを圧迫したり、クラウドサーバのコストが高騰したり、リアルタイム性が失われたりします。

そのため、IoTゲートウェイのエッジ処理により、ある程度情報を取捨選択・加工することで、上記のデメリットを排除することが可能です。

また、緊急性の高い情報はクラウドサーバを経由せず直接ウェアラブルデバイスに通知することが出来るのもIoTゲートウェイのメリットと言えます。

そのデータをクラウドサーバで蓄積し続けることで、価値のあるデータに生まれ変わります。

まずは「今」の見える化による業務効率化等のメリットを享受し、その次は蓄積された「過去」のデータを分析することで、「未来」に繋がる価値を享受することが出来ます。

データの使用

可視化されたデータを閲覧・使用

ハンディの代わりにスマートウォッチの見やすい大画面で作業指示を見ながらハンズフリーで作業しつつ、機器のアラートが表示されたら即座に駆け付ける。

スマートグラスでマニュアルを見ながら作業しつつ、困難な作業は、スマートグラスについているカメラ映像を遠隔地に伝送することで、遠隔地からサポートをしてもらう。

生産実績・作業実績などをPCで確認し、リアルタイムに人員配置の見直しをおこないつつ、翌日以降の計画を練り直す。

など、まるで生き物のように状況が変わり続ける製造業の現場を、リアルタイムにフォローすることで安全で効率的な業務実行を後押しします。

分析されたデータをもとに業務を効率化

より生産性が高くなるように機器・設備の設定を変えたり、人の導線を効率化させたり、工程の改善につなげたり。データを蓄積した後は、業務の根本を変えるような活用につなげることも可能です。

機器の予防保全・熟練工の技術継承など、データ活用の裾野は幅広く、今も広がり続けています。

緊急性の高い情報を即座に届ける

人の転倒・落下など安全に関わる緊急情報や、機器の停止・不調など生産性に関わる緊急情報、不正侵入などセキュリティに関わる緊急情報などを、近くの人や遠隔地に即座に届けることが可能です。

作業推進に必要なコミュニケーションをシームレスに実現

IoTトランシーバによる同時通話・多重通話での音声コミュニケーションや、スマートグラスによる映像共有、スマートウォッチに作業指示や通知の表示など、遠くにいるのにその場にいるかのようなコミュニケーションを実現することで、ミスコミュニケーションの減少やベテラン社員がサポートできる範囲・人数の増加につながります。

また、昨今は翻訳ソフトも進化し続けている為、将来的にはIoTトランシーバによるリアルタイム翻訳なども期待されます。

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データだけではないIoT

明るい場所でも鮮明に見えるレーザープロジェクター。
これを活用することで、工場の導線や侵入禁止エリアを一目瞭然にすることが出来ます。
テープや塗装で表現されていることが多いですが、時間が経つと消えてしまったり見えづらかったりします。
また、レイアウトが変わると混乱が生じることもあります。
センサ連動により、動的に照射形状を変えることも可能ですので、そういった際にも作業ミスを回避することが可能です。また、工場のキレイ化にもつながります。

IoTで得られるメリットと導入効果

今回紹介したIoTソリューションにより得られるメリット・導入効果をまとめると以下の通りです。

■リスクの回避・軽減

  • 転倒検知や進入禁止エリアの検知・通知などにより、従業員の安全を守る
  • 活動量やストレス検知等により、従業員の健康を守り、事故を予防する
  • 工場への不正な立入を検知することで、施設の安全を守る
  • 機器の状況を監視することで、設備の劣化状態を把握・予知し急な機器の停止を防ぐ
  • 機器の異常を検知し、速やかに対応することでライン停止時間を短縮する


■効率化

  • 作業指示などを見やすく、ミスなく作業できる形に業務を改善する
  • 遠隔でのリアルタイムコミュニケーションで、移動のロスやコミュニケーション齟齬を防ぐ
  • 蓄積したデータから装置・人員配置・工程を最適化させ生産性を向上する

■コスト削減

  • スマートメータなどによるエネルギーコストの見える化・削減
  • 上記のリスク回避や効率化によるコスト削減

■技術継承・熟練工不足改善

  • 経験と感覚に頼っていた技術を数値化・見える化し、技能を伝承しやすくする
  • ウェアラブルデバイスにより業務を平準化すること、OJT時間を短縮

 

製造業注目の「インダストリー4.0」とは? IoTがもたらすメリット
近年、第4次産業革命とも云われる『情報通信技術と製造技術の融合』が急速に進んでいます。工場では機器がインターネットに接続されて制御・管理される『スマートファクトリー化』が進んでいるように、ITやIoT製品が発展しているいま、製造業はDXをはじめ新しい産業形態に変化しつつあります。こうした産業のデジタル化を推進するコンセプトに「インダストリー4.0(Industrie4.0)」というものがあります。本記事では「インダストリー4.0(Industrie4.0)」についてご紹介していきます。

さいごに

効果を最大化させるポイントは、漠然とデータを集め始めるのではなく、

  1. データ活用の仮説を立ててから収集すること
  2. 肝となるデータが確実に収集できるか事前に検証すること
  3. 一発で示唆を得られるデータにならなかったとしても直ぐに諦めずに、切り口を変え組み合わせを変え、収集するデータを追加して、使えるデータにするためのPDCAを続けること

です。

当社では、企業様が抱えるビジネス課題を解決するサービスとして、IoT技術を用いた製品・ソリューションの企画・設計・製造から、運用・保守までをワンストップでサポートしております。
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