トラース・オン・プロダクトがアクスト東日本を子会社化 背景と狙い・今後の展望を解説

近年、IoTやデジタル技術の進展により、さまざまな現場で業務効率化や省人化の取り組みが進んでいます。特に、日本で人手不足が深刻化しており、現場オペレーションの見直しは多くの企業にとって重要な課題となっています。
そのような中、トラース・オン・プロダクトは2025年8月、コードレス呼び出しベル「ベルスター」などの販売代理店である株式会社アクスト東日本を子会社化しました。
本記事では、この子会社化の概要や背景に加え、アクスト東日本の主力製品、そして両社の連携によって期待される今後の可能性について、分かりやすく解説します。
トラース・オン・プロダクトによるアクスト東日本の子会社化
トラース・オン・プロダクトはIoTソリューションの提供を強みとする企業であり、これまで多様な業界に向けたサービスを展開してきました。近年はAI電力削減ソリューション「AIrux8」、流通小売店舗を対象としたDX店舗活性プロダクト「店舗の星」、デジタルサイネージプラットフォーム「CELDIS」を中核とするSaaS型の月額課金ビジネスへの転換を進めています。
2025年8月21日、トラース・オン・プロダクトは取締役会において、コードレス呼び出しベル「ベルスター」などを中心とした呼出しベル製品の卸売事業を展開する株式会社アクスト東日本の発行する全ての株式を取得し、子会社化することを決議。同日中に契約締結をしました。2026年2月からはアクスト東日本の本社機能を横浜に移転し、新体制が本格的に始動しました。
アクスト東日本は、飲食店や医療機関、工場など幅広い分野で導入実績を持つ企業であり、現場に根差した製品とノウハウを強みとしています。また、安定した高品質な製品を販売した上で、しっかりとしたアフターフォローを大切にしていることも強みです。
▼株式会社アクスト東日本の子会社化に関する補足説明資料(トラース・オン・プロダクト)(PDF)
子会社化の背景―現場の業務効率化ニーズの高まりと現場課題に応じたIoT技術の提供
人手不足による業務効率化ニーズの高まり
今回の子会社化の背景には、現場における業務効率化ニーズの高まりがあります。
近年、多くの業界で人手不足が深刻化しており、限られた人員で業務を回すための仕組みづくりが求められています。特に、スタッフの呼び出しや連絡といった日常的なオペレーションにおいても、効率化の余地は大きいと言えるでしょう。
従来の呼び出し手段は、声掛けや有線設備などに依存するケースも多く、運用の柔軟性や効率性に課題がありました。こうした中で、無線技術を活用した呼び出しベルは、現場の負担軽減に寄与する手段として広く普及しています。
現場の課題に応じたIoT技術の提供が可能に
アクスト東日本は長年にわたって構築してきた延べ1,500社(飲食店、工場、病院、介護施設、オフィス・会議室、ホテル・旅館、レジャー施設、屋外施設、物流等)に及ぶ幅広い顧客ネットワークを持っており、トラース・オン・プロダクトが長年培ってきたIoT技術と掛け合わされることで、顧客ごとの課題や現場の状況に応じたIoTソリューションの提供が可能となると考えます。
アクスト東日本の製品を紹介―コードレス呼び出しベル「ベルスター」/コードレス・パーソナルコールシステム「リプライコール」
アクスト東日本は、コードレス呼び出しベル「ベルスター」をはじめとした、呼び出しベルの卸売事業を展開してきました。主力製品である2つの製品をご紹介します。
コードレス呼び出しベル「ベルスター」

(図1:コードレス呼出しベル「ベルスター」)
「ベルスター」は、ボタン操作によってスタッフへ呼び出しを通知できる無線システムです。飲食店などのテーブルに設置されている”呼び出しベル”として広く知られており、シンプルで直感的に使える点が特徴です。
利用者がボタンを押すだけで店員スタッフの呼び出しが行えるため、スタッフと利用者双方の負担を軽減することができます。また、配線工事を必要としないため、比較的容易に導入できる点もメリットです。
ベルスターは、飲食店に限らず、工場における作業連絡や医療機関での呼び出し用途など、さまざまな現場で活用されています。
▼コードレス呼び出しベル「ベルスター」
ベルスター製品情報
コードレス・パーソナルコールシステム「リプライコール」

(図2:コードレス・パーソナルコールシステム「リプライコール」)
「リプライコール」は、受信機を利用者に持たせることで、離れた場所にいる相手を呼び出すことができるシステムです。
呼び出しはLED表示、チャイム音やバイブレーションなどで通知されるため、施設内で大きな声を出す必要がなく、より効率的でスマートなオペレーションを実現します。
また、長距離通信に対応しているため、利用者は施設内を自由に移動しながら待機することが可能です。フードコートや医療機関、商業施設など、待ち時間が発生する環境において幅広く活用されています。また、レジャー施設や屋外施設などの電源確保が難しい場所でも活用できます。
▼コードレス・パーソナルコールシステム「リプライコール」
リプライコール製品情報
トラース・オン・プロダクトとアクスト東日本の連携で期待される新たな可能性

(図3:IoT技術活用のイメージ)
今回の子会社化により、アクスト東日本がこれまでに構築してきた幅広い顧客ネットワークと、トラース・オン・プロダクトのIoT技術とを組み合わせた取り組みが進められていくと考えられます。
トラース・オン・プロダクトは、デバイスの遠隔管理や稼働状況の可視化、AIを用いたデータ活用といったIoTソリューションを強みとしており、こうした技術とアクスト東日本の製品群を掛け合わせることで、新たな価値提供の可能性が広がります。
アクスト東日本は、飲食店や工場、医療機関、介護施設など、多様な業界において導入実績を有しており、これらの顧客基盤に対して新たな提案が可能になる点は大きな特徴といえるでしょう。今後は、既存製品の提供にとどまらず、IoT製品やサービスとの組み合わせによるクロスセルによりさらに新たな価値を感じていただくことや、顧客ごとのニーズに応じた新たな提案も期待されます。
例えば、呼び出しの状況をデータとして把握し、混雑する時間帯や対応の偏りを可視化するといった使い方や、飲食店でのスタッフ配置の見直し、工場や医療機関における離れた場所への連絡をよりスムーズにするための機器連携など、現場の状況に応じたさまざまな活用も考えられます。
また、現場で実際に利用されている呼び出しシステムを起点とすることで、これまで顕在化していなかった課題やニーズが見えてくる可能性もあります。こうした気づきをもとに、新たなサービスや活用方法が検討されていくことも考えられます。
現時点で具体的な新製品などが公表されているわけではありませんが、両社の強みを活かしたシナジーの創出により、中長期的な成長と企業価値の向上につながっていくことが見込まれます。
まとめ
トラース・オン・プロダクトによるアクスト東日本の子会社化は、両社の既存の製品の販売強化にとどまらず、コードレス呼び出しベルとIoT技術を組み合わせた新たな価値創出に向けた取り組みと言えます。
アクスト東日本がこれまで培ってきた現場対応力と、トラース・オン・プロダクトの技術力が融合することで、従来の枠を超えたサービスの展開が期待されます。
今後は、単なる機器提供にとどまらず、データ活用や業務改善を含めたソリューションとしての進化が進んでいく可能性もあるでしょう。現場の効率化やサービス品質向上に向けた動きとして、引き続き注目されます。
お役立ち資料

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