海外活用事例から見えてきた、「ウェアラブルデバイス」が実現するビジネス活用のヒント

2022年4月26日
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ウェアラブルデバイスとは?ビジネス現場での活用が進む理由

近年、ウェアラブルデバイスは新たな時代のツールとして期待され、注目をされてきました。

しかし、一口に ”ウェアラブルデバイス” といっても、その形・機能・用途は機種によっても様々です。使われ方もそれぞれ違うため、一体どのような用途でウェアラブルデバイスが活躍しているのか、よくわからないという方も多いと思います。本記事では、当社の業務用ウェアラブルデバイス『Cygnus』の海外における導入事例を元にご紹介します。

業務用ウェアラブルデバイス「Cygnus」
業務用ウェアラブルデバイス「Cygnus」
Cygnusは、利用用途に応じて各種アプリケーションを1つのウェアラブルデバイスに搭載が可能なため、様々な業種において、生産性向上・業務効率化を実現します。

業務用ウェアラブルデバイス『Cygnus』とは?

Cygnus は、大容量バッテリーと大きな液晶スクリーンを搭載した腕時計型の業務用ウェアラブルデバイスです。腕に装着して使用するためハンズフリーで作業可能ができ、バッテリーの容量も多いため、Cygnusは1回のフル充電で終日業務に使用することが可能です。

さらに、最も特徴的なのはAndroid OSを搭載しているため動作させるアプリケーションを目的・用途に合わせて自由にカスタマイズすることができ、多様な場面での活躍が期待される点です。
さて、デバイス本体には、様々な用途での利用を可能にする以下のような機能を搭載しております。

 ○無線LAN機能 (スマートフォン等との連携不要、単独で動作)
 ○カメラ (QRコード・バーコード等の読み取り)
 ○NFC リーダ
 ○Bluetooth
 ○通知機能 (バイブレーション、音声)
 ○スピーカー
 ○ハンディターミナル、バーコードリーダ、RFIDリーダ等との連携

業務用ウェアラブルデバイス「Cygnus」
業務用ウェアラブルデバイス「Cygnus」
Cygnusは、利用用途に応じて各種アプリケーションを1つのウェアラブルデバイスに搭載が可能なため、様々な業種において、生産性向上・業務効率化を実現します。

米国大手半導体メーカー、マレーシア工場での活用事例

マレーシアの企業を通じてウェアラブルデバイスが半導体メーカーの工場において導入され、業務ロス削減に活用された事例をご紹介します。

マレーシアのSophic Automation Sdn Bhd(以下、「Sophic社」と記載)は、東南アジアにおける大規模な工業団地のひとつである、マレーシアのペナン州に存在している製造工場を中心に工場のスマートファクトリー化やオートメーション化を支援している企業です。

このSophic社の開発した「Resource management system」に連携する端末としてウェアラブルデバイス「Cygnus」が採用されたことで、米国の大手半導体メーカーのマレーシア工場でCygnus が利用されています。

製造ラインにおける異常に気づけないケースが多発

従来の工場では製造ラインにおける異常は各種工業用機器の上部に取り付けられた「タワーライト」で知らされていました。

タワーライトとは、信号機のような赤・緑・黄などの色のランプが積み重なった、光と音で従業員に異常を知らせて工場内のコンピューターで異常があったことを確認できるようにするアラート機器です。

しかし、このタワーライトでは異常を知らせる音が工場内の作業音でかき消されてしまい技術者がすぐに異常に気づけないケースが多く、業務ロスが生じていました。

さらに、何らかの異常があった際には異常に対応した技術者が指定のコンピューターから異常内容を確認し、対応後には対応に要した時間や詳細な内容等を入力していました。そのため事後に複数の異常対応についてまとめて入力するケースもあった為、入力漏れなどの問題も生じていました。

工場における業務ロスの削減とデータの入力漏れ防止に

 Cygnus が導入されたことで、これらの課題が解決されました。Cygnus は腕時計型のデバイスのため、装着している技術者・従業員にリアルタイムでロス無く異常を通知できるようになりました。

これにより、アラートに気づかずに異常を放置してしまう時間に発生していた業務ロスが殆ど解消されました。また、対応を行う前後に必ず技術者が自分の装着した Cygnus から対応業務を完了させるようにしたことで、データの入力がまとめて行われたり、入力漏れが発生したりするといったことがなくなり、データの信憑性の向上にも繋がりました。

このように、ウェアラブルデバイスの導入によって作業員への通知を迅速かつ正確に行えるようになっただけでなく、コンピューターを介して行っていた異常対応の入力を各自の手元のウェアラブルデバイスで行えるようにしたことで、ウェアラブルデバイスが業務の漏れやロスを防ぐことに貢献したのです。

『スマートファクトリー化』を推進したウェアラブルデバイスの活用事例

大手システムインテグレーターとの協業で工場の「スマートファクトリー化」を進めた事例です。スマートファクトリーとは、工場における各種機器をインターネット環境に接続することで機械の稼働状況などのデータを収集・蓄積し、そのデータを活用して工場全体が効率的な稼動が行えるように稼動の最適化を行い、利益の最大化を図った工場のことです。

この事例では、具体的にはある工場がスマートファクトリー化を実現するために、ウェアラブルデバイスを導入した例をご紹介します。

ウェアラブルデバイス「Cygnus」が実現したのは生産ラインにおける各種設備機器の稼働状況や生産ラインでの作業状況の送受信、ならびに効率的なQC(quality control)(※)管理と、従業員の作業効率の向上です。

※QC(quality control)・・・製造業において製品の品質を一定に保つこと。品質管理。

 

機器の稼動状況をリアルタイムで確認できるように

ウェアラブルデバイス「Cygnus」の導入により、インターネット環境に接続された工場内の各種設備機器の稼動状況を従業員が手元のウェアラブルデバイスでリアルタイムに確認できるようになりました。さらに、作業情報の送受信もここで行うことができるようになり、工場のスマートファクトリー化を進めることに寄与しました。

効率的なQC管理を実現

ウェアラブルデバイスから設備データやQCデータの効率的な取得が可能になったことで、他の作業者と保守対応履歴などのデータ共有もスムーズに行うことができるようになりました。この結果生産ラインで働く作業員の作業効率向上も同時に図ることができました。

また、 Cygnus は音声入力によるハンズフリー操作が可能なため、手を塞ぐことなくデバイスを操作することができる点も業務効率を向上させています。

工場のスマートファクトリー化を後押しする、ウェアラブルデバイス活用法
工場のスマートファクトリー化を後押しする、ウェアラブルデバイス活用法column
工場における設備・センサーといったあらゆる機器をインターネットに接続することで、機器の稼動状況や品質情報などを見える化し、生産性向上を図る「スマートファクトリー」。今回は、そんなスマートファクトリー化を後押しするウェアラブルデバイスの活用法について、具体例などをご紹介していきます。

ビジネスの現場において、益々活躍するウェアラブルデバイス

事例でご紹介した通り、ウェアラブルデバイスは、海外では工場などの現場で業務の効率化やQC の効率的な管理を行う用途で早速活躍をはじめています。

ここまで紹介してきましたCygnus も、2017年5月30日から3日間台湾にて開催された世界最大級のICTトレードショー「COMPUTEX TAIPEI 」でも展示されました。

このICTトレードショーとは、ICT(=Information and Communication Technology、情報通信技術のこと)に携わるあらゆる領域のトッププレイヤーが集う見本市で、5000ブースを超える1602社が出展し、世界167ヶ国から41,378人が来場するほどの大規模なイベントです。そのような場にウェアラブルデバイスが出展されていることからも、世界的にウェアラブルデバイスへの期待値が高まっていることが見て取れます。

これからウェアラブルデバイスは、ビジネスの現場でより活躍が期待される存在となっていくに違いありません。皆さまも、ビジネスにおいてウェアラブルデバイスが解決できそうな課題がないか、一度検討されてみてはいかがでしょうか。

業務用ウェアラブルデバイス「Cygnus」
業務用ウェアラブルデバイス「Cygnus」
Cygnusは、利用用途に応じて各種アプリケーションを1つのウェアラブルデバイスに搭載が可能なため、様々な業種において、生産性向上・業務効率化を実現します。

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IoTソリューション導入事例集
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